高気圧酸素(Hyperbaric Oxygen,HBO)療法とは、気圧を高くした部屋の中で、純酸素を呼吸させることにより、体の中に生じた酸素不足の状態を改善しようとする治療法です。
加圧中耳閉感を訴えることがありますが、治療中はスタッフが一人付き添いますので、安心して治療を受ける事が出来ます。
当院に設置されている治療装置は“多人数用大型治療装置”で、福岡市内及びその近郊ではこの一基のみです。冷暖房完備で、音楽を聞きながらリラックスした状態で新聞や雑誌が読めます。室内は炭酸ガスフィルターや除菌フィルターを通過したきれいな空気で充満されており、適温に維持されています。
気圧が上昇していくと、耳が詰まった感じがします。飛行機が着陸する時や、水中に潜った時に感じる耳閉感です。つばを飲み込んだり、耳抜きをするとよくなります。0.6気圧以上になるとなんともありません。
何かありましたら同室の技士に、すぐお申し付けください。
(※室外にもスタッフが待機しております)
適応疾患は多岐にわたっていますので一口にその効果を述べる事は出来ませんが、一酸化炭素中毒や減圧症に対しては根治的治療法であり、腸閉塞に対しては手術すべき状態かそうでない状態かを判別する事が出来ます。
また、突発性難聴であれば発症後2週間以内に治療を受けられると非常に効果があり(90%)、糖尿病性網膜症、網膜中心動脈閉塞症にも有効です。
治療は早ければ早いほど効果があります。脳梗塞は少なくとも発症後2週間以内であれば著効がえられており、発症後3時間以内の超早期に治療を受けられると寝たきりにならないですむといわれています。
6163例に91786回
昭和46年(1971)、福岡市で最初に始めた当院の高気圧酸素療法は昭和58年(1983)、現在稼動している 多人数用大型治療装置の導入により、症例数は、鰻上りに増加し、平成23(2012)年末で6163例に91786回の治療を行いました。
治療した症例は、一酸化炭素中毒:361例、減圧症(潜水病):205例、脳梗塞:865例、突発性難聴:320例、熱傷:414例、腸閉塞:1048例、等です。